1本の歯から全身を診る


患者さんにとって「美しい歯並び」は勿論大切ですが「正しい咬み合わせ」は殊更重要です。二足歩行バランスを考えた時、咬合と頸椎・背骨・腰椎・ 全身との関係は無視できません。「咬み合わせ」が変われば「全身のバラ ンス」が変わります。 カイロプラクティック Dr.DeJarnette は、1950年代に 頭蓋骨と歯牙、歯牙と椎骨、臓器の関係を示しました。これはドイツの内科医・鍼師である Dr.Reinhold Voll により実証され、彼は更に歯牙の各箇所に電気刺激を加えると、身体の諸機能に影響を与えることを発見 しました。Dr.Goodheart もまた特定の筋肉と歯牙・椎骨・器官を関連づけました。彼は、歯牙が歯槽骨内にてサブラクセイションを起こし、関連筋と 内臓の機能を変えるような特殊反射を起こしうると発表しています。この捉え方はカイロプラクティックのクラニアル、オステオパシーのクレニオ パシーとして培われています。東洋医学(経絡)的に言えば、抜歯やインプ ラントアンカーで経絡上に変化を起こします。歯科医であると同時に、心と 体を扱う治療家として、生体の前に謙虚で、あらゆる治療により肉体・精神に与える影響(トラウマ)を感知する感性を常に養い保ちたいと思います。